2021年9月11日のメギフェス2021で開発中のボードゲームとして展示され*1、コミックマーケット99の企業ブースで販売されたTHE Foton。
実はこのTHE Foton、通販ページを見ても概要がわからないゲームとなっています。
そんなTHE Fotonですが、購入してルールを読んだ時点で良さそうな雰囲気を感じ、実際にプレイすることで非常に面白いゲームであるという確信を持つに至りました。
メギド72のファンアイテムではありますが、メギド72を知らないTCG・ボードゲームプレイヤーでも十分に楽しめるポテンシャルを持っています。
このTHE Foton、よく知られないまま埋もれさせてしまうにはあまりにも惜しいゲームです。
一人でも多くにTHE Fotonの魅力を知ってもらい、あわよくば購入に踏み切ってもらおうとこの記事を書くことにしたわけです。
偉大なる先駆者様の紹介など
この記事より先にTHE Fotonを紹介した記事・動画があります。
紹介の仕方が異なるので、多面的に判断したい人はこちらもどうぞ。
kaname様:メギド72カードゲーム「THE Foton」紹介|kaname|note
弓川様:メギド72 THE Foton 解説記事|弓川|note
杏りゅう様:【非公式】THE Photonプレイ説明動画 - ニコニコ動画 *2
また、以下のツイートは購入時の自分の感想と初プレイ後の自分の感想のスレッドになります。
メギド72 The Foton 開封下手部……というか蓋を押さえてるシール剥がすだけでこれは悲しくなりますよ。悲しくなりました。みんなは刃物で開けてくれよな!
— カネ8 (@kane8_mk3) 2021年12月30日
後ろには内容物とか概要とかが買いてあるね……プレイ人数2〜4とな? pic.twitter.com/Jk0JUG087X
今日は友人とメギド72 THE Foton遊んだマン。約4時間があっという間に過ぎたし、メギド感ありつつ実際面白かったからゲームとしても普通におすすめしたいですね。通販は1月31日までだからお早めに。[プレイ人数÷2(切り上げ)]個あれば基本困らないと思います
— カネ8 (@kane8_mk3) 2022年1月3日
(以下感想)https://t.co/x50uN7kW3C
THE Fotonはどんな人向け?
自分がTHE Fotonを勧めたい人には3タイプあります。
1つ目はもちろんメギドプレイヤーです。
ゲームをプレイしていくと「あー、今メギドしてるな」と思う場面が多く、メギドらしい効果を持ったカードも少なくありません。
遊んでみて、THE Fotonが確かにメギド72のカードゲームであることを体験して欲しいです。
2つ目はコンボを考えるのが好きな人です。
特定の目についたカードを使ってみようと思った時、何らかの相性の良いカードが存在しています。
それらを組み合わせて思い通りにコンボを決められるように構築したりプレイするのが好きな人にオススメです。
3つ目はドラフトそのものが楽しい人です。
THE Fotonはドラフトがゲームの比重の半分を占めていると言っても過言ではありません。
うまく他人を出し抜いてうまいことドラフトを進めたり、どのカードもピックしたくない中で最善手を考えたり、狙ったカードを取られて悔しがったり。
そういったランダムな一期一会に一喜一憂できる人にオススメです。
ちなみに、キャラゲーでよく見られる特定の名前のカードを要求する効果は全くありません。
そのため、メギド72を知らなくても問題なくプレイすることができます。
THE Fotonは何個買えばいい? 光ってるカードは?
少し話の腰を折りますが、THE Fotonの商品内容の話を早めに済ませてしまいましょう。
なぜこのような話をするかと言いますと、初お披露目のメギフェス2021で非常に加工が豪華なカードも展示されていたからです。
メギフェスに展示してあったボードゲーム(?)
— スル名菓 (@sr_meika01) 2021年9月11日
祖メギドのカードキラッキラでめっちゃ良い…!
(掲載許可いただきました) pic.twitter.com/0oXUqaDHe4
THE Fotonの商品概要を説明しているページは少なく、通販ページの情報も正しくありません。
そのため、光ってるカードがランダム封入されている商品と考えて複数購入してしまう危険性があります。
さて、勘の良い方は言い方で気付いたかもしれませんが、THE Fotonは1個の購入で十分な商品です。
中身にランダム要素はありませんし、光ってるカードもありません。
そして、商品1個で2人~4人のすべてのプレイ人数に対応できます。
大雑把に内容物を説明すると、祖1~祖72までのメギドカードが72枚、ドラフトに使うカードが98枚、プレイを円滑にするためのカードが69枚、予備のカードが2枚と、ルールガイドなどのシートが3種入っています。
カードの大きさはすべて63mm×88mmで、レギュラーサイズ・スタンダードサイズと呼ばれているサイズになります。
余談ですがメギフェス2021展示時は通常加工のカードはST1-XXX、光っているカードはBS1-XXXとナンバーが振られていました。
このTHE Fotonはスターターセット(ST)扱いで、光っているカードは今後ブースターパック(BS)として販売しようとしているのかもしれません。
写真で見ても加工が豪華で実際に手に取って見てみたいので、光ってるカードについての情報が早く欲しいところです。
2022/3/6追記
光っているカードが入っている商品がついに発売されました。
商品情報:メギド72 カードゲーム THE Foton ドレスアップパック
通販:【グッズ-カード】メギド72 カードゲーム THE Foton ドレスアップパック【3月イベント分】 | ゲーマーズ キャラクターグッズ商品の総合通販
1パック1枚入り480円(税込み)の72種ランダムなのでいいお値段です。
お財布に無理のない範囲で買って、トレードで欲しいメギドを集めるのがいいと思います。
THE Fotonはどんなゲーム?
閑話休題。ゲーム内容についての紹介に戻りましょう。
THE Fotonはゲーム終了時に最も多くの勝利点を獲得していたプレイヤーが勝利するゲームです。
まず、4段階あるゲームの一通りの流れを解説し、その後各パートについて詳しく紹介していきます。
2020/3/6追記
ルールシートとプレイシートのpdfが公開されました。
お知らせ:メギド72 カードゲーム THE Fotonのプレイシートとルールブックを公開いたしました。
— グッスマ△グッズチーム (@goodsmile_md) 2022年2月28日
下記リンク先よりご利用をお願いいたします。#メギド #メギド72
・プレイシートのダウンロードはこちらhttps://t.co/a2EmMhQkv5
・ルールブックのダウンロードはこちらhttps://t.co/SW1Sm3KsqF
大まかな流れ
ゲームを始める前に各プレイヤーはメギドを6枚用意します。
用意した6枚はパーティと呼ばれ、他のプレイヤーのパーティは確認することができません。
その後、フォトンをドラフトしていきます。
フォトンは3種類あり、種類ごとに2-3-4または1-2の数字が割り振られています。
基本的に数字は大きいほどよいです。
ドラフトは6回繰り返し、各プレイヤーは最低18枚のフォトンを獲得することになります。
そして、獲得したフォトンを山札にして、そこから引いて手札にします。
ここから各プレイヤーは順番に、手札のフォトンを自身の場に出すことでメギドを行動させていきます。
メギドを行動させることで、手札を増やしたり、他のプレイヤーを妨害したり、勝利点を獲得したりします。
メギドの行動は各プレイヤー5回ずつ行います。
最後に、条件を満たしたプレイヤーが手札のフォトンを自身の場に置いたら、フォトン種ごとに場のフォトンの数字の合計を比べます。
そして、フォトン種ごとに合計値の順位によって決められた勝利点を獲得します。
メギドの効果による勝利点とフォトンの合計値の順位による勝利点を合算することでゲームの勝者が決まります。
いかがでしたか?
メギドを編成し、フォトンをドラフトし、そのフォトンでメギドを行動させるという、まさにメギド72なカードゲームとなっていることがわかっていただけたでしょうか。
それでは、各段階についてさらに詳しく見ていきましょう。
メギド72の再現に留まらないTHE Fotonの魅力があることがきっとわかってもらえます。
0.パーティの用意
いきなり72種類のカードから6枚を選んでパーティを用意しろ、と言われても難しいと感じる人がほとんどでしょう。*3
ですがご安心ください。6つのパーティが用意されているプレイの手引があります。
プレイの指針も書かれているので初プレイ時には非常にお世話になりました。
ルールガイドに『初めて遊ぶ場合は「プレイの手引」のパーティでプレイすることをおすすめします。』とわざわざ強調して書かれているのも納得するほどに完成度が高いです。
しかもプレイの手引のパーティに使われているメギドにかぶりがないので、ここのパーティで一通り遊ぶと72種中36種に触れることができます。
また、ある程度プレイの手引のパーティで遊ぶと、ゲームの流れやある程度のカードの効果が頭に入ってきます。
そのおかげで、自然と6枚を選んでパーティを用意できるようになりました。
例えば、フォトン1種を全部裏返す代わりに勝利点を得るアスモデウスとフォトン1種を表にできるサレオスのコンボを軸に相性のいいカードを探したり、「○○するたび、××する」というカードを軸に相性のいいカードを探したり、といった感じにです。
ちなみに、パーティは6枚に対して行動は5回のため、1枚は使わないことになります。
うまくいったときのプランAとうまくいかなかったときのプランBのような柔軟性を持たせたり、対戦相手からの妨害を防ぐカードを入れたりしましょう。
1.ドラフトフェイズ
ドラフトフェイズでは、イベントカードからランダムに4枚をフォトンに混ぜてドラフトします。
イベントカードはメギドの行動の前に1回だけ使える使い捨てのカードです。
効果は強力ですが、何が混ざるかわからない・欲しいイベントカードを獲得できるかわからない、といった点からイベントカードありきで戦略を立てられないようになっています。
ドラフト時は[プレイ人数+2]つのエリアにカードが置かれます。
仮に3人プレイだとすると5箇所にカードが置かれ、3箇所のフォトンが獲得されるとカードが補充されます。
以下の左の状態からA・D・Eのフォトンが獲得されてから補充をすると右の状態になります。
獲得されたエリアには3枚、カードが残ったエリアには1枚追加されていますね。
これにより、何が置かれるか読めないエリアと何が取れるか予測しやすいエリアの両方が存在することになります。
カードが補充された後に最初にカードを獲得するプレイヤーは時計回りに移っていくため、「あそこのエリアは次に増えたカード次第では取ろう」といったプレイもできます。
逆に誰にも必要とされずに延々とカードが増え続けてドラフトの選択肢を狭めてしまうといったこともあり、ドラフトが毎回違った展開になるのは非常に面白いポイントです。
また、山札を多くするためにわざとエリアにカードを増やしつづけることもあります。
極端な例だと山札を1枚まで減らす代わりに減らした枚数だけ勝利点にするグラシャラボラス*4があります。
山札を勝利点に変換しながら捨札が増えるので、増えた捨札を有効活用できるベレト*5を組み合わせてみるのも面白いかもしれません。
2.メインフェイズ
まず、メギドの行動のさせ方を説明します。
メギドの左側にあるコストを満たせるように手札からフォトンを場に置くことでメギドを行動させます。
アタック・スキル・チャージのどれでもないマークはどのフォトンでもOKです。
こうしてメギドを行動させていくことで、場にフォトンが置かれていき合計値が増えていくわけです。
また、効果で勝利点を獲得するために一定枚数を要求するものや、裏返す必要があるものもあります。
裏返したフォトンの数字は合計値に加算できないので、そこを考えた上でドラフトやフォトンの置き方を工夫していくことになります。
それでは自分にとってのメインフェイズ最大の魅力を紹介します。
その魅力とは最後まで勝負がわからないということです。
仮にこんな状態だったとしましょう。
メギドは4回行動していて、自分の効果や相手の妨害で多くのフォトンは裏返っていて合計値に加算できない。
合計値の順位による勝利点の獲得は絶望的だけど、手札は8枚ある。
そんな状態でも手札を5枚使い、裏向きのフォトンを6枚表にするマルバスを行動させればあら不思議。
都合11枚分のフォトンが一気に増え、合計値の勝負の行方もわからなくなりました。
今回は派手な例を挙げましたが、手札を多く必要とするメギドを1回行動させるだけで、合計値の5-6点差は簡単にひっくり返すことができます。
そのため、中盤でゲームの勝敗が見えてしまって萎えてしまうことが非常に起きにくくなっています。
また、各プレイヤーが5回ずつ行動できるため、用意したパーティやコンボを全員お披露目できることはファンアイテムとして見ても非常に優れた点だと思います。
3.フォトン追加フェイズ+勝利点計算フェイズ
各プレイヤーが5回ずつ行動したら、行動したメギドの☆マークのアイコンの数だけ手札のフォトンを場に出すことができます。
これのおかげで、最後の最後まで合計値で勝てるかわからず、メインフェイズ最終手番のプレイヤーであってもフォトンの出し方に悩むことになります。
合計値そのものではなく、合計値の順位によって決められた勝利点を獲得するのは個人的に好きなポイントです。
例えば「スキルだけは負けたくない」と20点差を付けてしまうと、他のフォトンは枚数が足らなくて結局負けてしまうなんてこともあります。
また、ドラフトで獲得した枚数と数値が可視化されるのも好きなポイントです。
ドラフトのプレイングが正しかったか間違っていたかがすぐわかるので、次はここを気をつけてドラフトしてみようという気になり、「じゃあもう1回やろう」という気分にさせてくれます。
最後に
自分は「メギド72のボードゲーム? カードゲーム? だし、一応買ってみるか」と、あまり情報も出ていないTHE Fotonを購入しましたが、いい意味で裏切られました。
構築ゲーとドラフトゲーをいい意味で合体させたようなゲームで、 2人だと1プレイあたり30分前後という軽さもあって何度も遊んでしまいました。
メギドをシャッフルして1枚ずつめくりながら「召喚!」と盛り上がったりもしました。
メギド72プレイヤーどうしなら問題なく楽しめるゲームですし、メギド72がわからなくてもドラフトやTCGが好きなゲーマーなら楽しめるゲームに仕上がっています。
まだ、通販の予約中なので、惹かれるものがあった人は忘れないうちにポチっておいてください。
惜しむらくはコロナ禍が長引いていることですね。
何らかのリアルイベントで遊んだら盛り上がること間違いなしなのに、またリアルイベントの開催が難しそうな世の中になってしまいました。
コロナ禍の逆風を受けながらもたくましく運営しているTCGも多くありますし、THE Fotonもいい感じに生き残って欲しいところです。
光っているカードに真やリジェネレイトのメギドなど、まだまだ展開先がたくさんありますし、続報があることを期待しながら気長に待つとしましょう。