アイアンサーガでのICEYコラボイベント「異世界の訪問者」の内容が実はICEY本編の再話だったのではないのだろうかと思い至ったのでその考えの紹介と考察です。
ICEYについてのネタバレは含まれています。
▼実際のイベントテキストを確認したい人用 www.youtube.com
異世界の訪問者の概要
本編前、3桁年単位の過去
教延*1、死霊の抄本による破滅の野望を企てる。
アイアンサーガ世界で作った器(以下ICEY)に黄衣の王を降臨させようとするも失敗する。
降臨は失敗したがICEYに力は残留し、多大な犠牲を払いながら人類はその力を討ち倒した。
抜け殻となったICEYは信者が回収し秘密裏に保管した。
本編
ICEY世界のICEY(以下本編ICEY)とナビゲーター、何らかの方法でICEYに意識を移す。
本編ICEYは物質世界野での戦い方を習得するため、乗り込んだ機械巨人で様々な相手と闘う。
ICEYが引き起こした惨劇を知るものとも出会うが、本編ICEYが別人であることを見抜き見逃される。
本編ICEY、時間切れでICEYから意識が本来の世界へと戻される。
一時的に本編ICEYを宿したことで、抜け殻だったICEYに意識の種が埋まり、新たな人格(と新たな人格のナビゲーター)が生まれる。
ICEYコラボイベント開催中ならばICEYをプレアブルキャラクターとして手に入れることができました*2。イベントシナリオの内容からプレイアブルなICEYは本編ICEYとは別の自我を持っていると考えられます。
ICEY本編との共通項
以前のメタフィクションの観点からICEYを考察した記事の内容を踏まえると、ICEY本編ではプレイヤーの魂をICEYの体に一度宿しています。その後、「またあなたと」によってプレイヤーの魂は現実世界へと戻されます。
「器に別世界の人格が宿り、体を操る」「人格が元の世界に帰る」「宿った人格とは別の自我が器に芽生える」というプロセスは、ICEY本編とアイアンサーガのICEYコラボに共通している流れといえるでしょう。
どうやってICEYにプレイヤーの人格を宿したか
アイアンサーガのICEYコラボでは本編ICEYが能動的に物質世界に意識を移したことが明確に書かれています。では、ICEY本編のケースは偶然だったのでしょうか。私の考えはノーです。
「90億の神の御名」では神の御名としてHASTURが顕現したとされています。以前の記事で触れたように、「90億の神の御名」という文字列は実在するSF小説が元になっていると考えられます。
ネタ元を合わせて考えると、解き明かした神の御名は総数90億(以上)でその中にHASTURの文字列もあった、というのが落とし所でしょうか。そして、神の御名を解き明かしたことで真の神が神子に宿る、つまりICEYにプレイヤーの魂が宿ることになったのでしょう。
自我芽生えのルール足り得るか
2つの世界で起こったICEYの自我の芽生えるプロセスは絶対的なルールになるのでしょうか。こればかりは世界設定をどのように製作者が捉えているか次第だと思います。
クトゥルフ神話の神性を「ICEY世界内の神」として捉えているか「ICEY世界とは別世界の神」と捉えているかが明確でないため、その点は現状で読みきれないということですね。
▲どこのラジオ番組なのだろうか
ちなみに木偶シアターにはラジオのようなテイストでクトゥルフ神話の紹介をするイベントがあります。別の方が気付いたことなのですが、クトゥルフ神話の神性が実在する世界に「クトゥルフ神話」という言葉が存在するのでしょうか。
しかもこのラジオは日本語版であっても中国語のような言語で進行することもあり相当異質です。音質の悪さといい、別世界とつながったような印象を受けます。プレイヤーのいる現実世界やICEYのI™システムに対する現実世界とはまた別の世界も存在しているのかもしれません。
閑話休題。
クトゥルフ神話の神性宿しも同様のプロセスになるのであれば「最初の自我 I」の存在から、既に何らかの神性が顕現したことになります。顕現したのはニャルラトホテプな気がします。
MeとYouはICEYのケースから別世界の神を宿せたと判断して、本命の神を顕現させようとしているのかもしれませんね。
いずれにしても可能性の話に収まってしまうので、続編が待ち遠しい平成最後の木曜日でした。